サイード・アブデルワーヘド 1952年、ガザ市生まれ。ガザ・アズハル大学教養人文学部英語学科教授。父はガザ出身、母はビゥル・サブア出身の難民。ガザのUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)の学校で教育を受ける。カイロのアズハル大学言語・翻訳学部で英語英文学専攻、学士号取得。英国バース大学で修士号取得(言語学・翻訳学)。米国ペンシルヴァニア州のデュケイン大学で英文学の博士号取得。2002年より現職。ガザ攻撃のさなか、空爆下のガザから発信した一連のメールは日本語に訳され、『ガザ通信』として青土社から出版される。
ガッサーン・カナファーニー 1936年4月9日、パレスチナのアッカーで富裕な弁護士の家庭に生まれる。1948年、12歳のとき、イスラエル建国により難民となる。ダマスカスの難民キャンプで苦学したのち、UNRWAの学校で美術教師を務める。1956年、クウェイトに渡りジャーナリストとなる。そののちレバノンに渡りPFLP(パレスチナ人民解放戦線)のスポークスマンとして活動する傍ら、作家として健筆を振るう。1972年、ベイルートで姪とともに爆殺される。代表作に『太陽の男たち』『ハイファに戻って』『悲しいオレンジの実る土地』など。
レイチェル・コリー 1979年4月10日生まれ、アメリカ・ワシントン州オリンピア市で成長する。ワシントン州エヴァーグリーン・カレッジに進学。2003年1月、ISM(国際連帯運動)のメンバーとしてイスラエル占領下のパレスチナ人の人権擁護活動のためガザ地区ラファに赴く。渡航前、ガザ市とオリンピア市の姉妹都市プロジェクト、ガザとオリンピア市の子どもたちのペンパル・プロジェクトなどを計画していた。3月16日、パレスチナ人の住宅を破壊しようとしていたイスラエルのブルドーザーを制止しようとしてひき殺された。2005年、英国の俳優アラン・リックマンによって、彼女の日記、メールをもとにした舞台劇「私の名はレイチェル・コリー」がロンドンで上演された。
■ 「ガザ通信」 サイード・アブデルワーヘド著、岡 真理 +TUP 共訳、2009年、青土社
■ 「ガザからの手紙」 ガッサーン・カナファーニー著、岡 真理 訳、『季刊 前夜』創刊号(2004年10月)所収
■ レイチェル・コリーさんのメール レイチェル・コリー著、山田和子 + 岡 真理 共訳
■ 「私たちはここにとどまる インターナショナルズの証言」 岡 真理 訳
□ 音楽 Zeinab Shath “The Urgent Call of Palestine” / 田村喜久子(作曲・ピアノ演奏)