2015年6月13日(土)、河合塾京都校にて、ガザ朗読劇を上演いたしました。
「この朗読劇を塾生たちにみせたい」――昨年2月、京都YWCAで朗読劇をご覧になった河合塾の森本英之先生の熱い思いで実現した公演でした。森本先生をはじめ、本公演を企画・主催してくださいました河合塾のみなさま、そして当日、スタッフとしてご尽力くださいました京都校の職員のみなさまに、劇団員一同、心より御礼申し上げます。
これまで、京都、広島、東京、大阪、三重と、各地で上演を行ってきたわたくしたちですが、今回、若い高校生のみなさんにこの朗読劇を聴いていただけるということが、大きな励みとなりました。わたくしたちの朗読劇を通して、若い魂が〈ガザ〉に出会い、それぞれの人生の未来に繋がる何かの種子を胚胎してほしい・・・その思いをこめて、高校生の観客に朗読をより身近に感じてもらうため、役者も若者中心の特別ユニットを組み、2カ月間、稽古に取り組んでまいりました。
当日は、塾生のみなさん、市民のみなさん、そして、ガザ出身のパレスチナ人のご夫妻も来場され、わたくしたちの舞台を鑑賞してくださいました。劇半ばから、目頭を拭っておられる観客の姿も多数、見受けられました。
昨年の戦争をガザで体験されたパレスチナ人の奥さまは、上演中、ずっと頬を涙で濡らしておられました。そして、上演後、「私は日本語はほとんど分からないのだけれど、舞台の空気は、空爆下のガザの空気そのものでした。当時のようすが思い起こされてならなかった。ほんとうに魂のこもった朗読でした」と、目頭を熱くしながら感想を贈ってくださいました。
会場は教室であったため、音楽は生演奏ではなく録音で、照明も蛍光灯というシンプルな舞台でしたが、脚本の一言一句を掘り下げながら稽古を重ねた役者たちの肉声による朗読は、深く、観客のみなさんの心に届いたことが実感できた舞台でした。
劇団としても、今回の舞台によって、また一歩、成長することができたと思います。役者、そしてスタッフのみなさん、どうもお疲れさまでした。